
見積工程の業務負荷を65%削減、老舗メーカーの調達DX


社名
ショーワグローブ株式会社
従業員数
連結従業員数:5,802名(2023年12月31日現在)
事業内容
家庭用・作業用・産業用各種手袋の製造・販売
クリーンルーム用各種手袋の製造・販売
環境調和型手袋の製造・販売
課題
・業務が属人化し、業務を可視化できていなかった
・紙ベースの承認業務により、時間と場所の制約があった
・手作業による煩雑な業務に忙殺され新規サプライヤーの開拓が難しかった
ショーワグローブ株式会社様は、1954年に創業された手袋専業メーカーです。兵庫県姫路市に本社を構え、家庭用から産業用まで1,500種類以上の手袋をラインナップ。国内をはじめ欧米を中心とした海外市場にも展開し、高い技術力と品質でグローバルに支持を集めています。
今回、エンジニアリング室にて「リーナー見積」が導入されました。調達業務の属人化やアナログな書類管理に課題を感じていた同社の、リーナー見積導入の狙いや具体的な効果について詳しくお話しを伺いました。
■お話を伺った方
ショーワグローブ株式会社
取締役副社長 田中 様
エンジニアリング室 室長 戎子 様
エンジニアリング室 設備調達課 課長 廣川 様
エンジニアリング室 設備調達課 高島 様
─まずは、御社の事業内容を教えてください。
田中様:弊社は1954年に創業し、昨年創立70周年を迎えました。手袋の製造から販売までを一貫して行う手袋専門メーカーであり、手袋のみを製造し続けてきた珍しい会社です。約1500種類以上の製品を日欧米を中心にグローバルに販売しております。売上比率、生産量ともに海外が大きく、売上の半分以上が海外、生産の9割以上が東南アジアとなっております。

ー調達の業務においてどのような課題がありましたか?
廣川様:まず、メンバーの業務状況が可視化できず、誰が何をどの程度業務を進めているのか、担当者しか詳細を把握していない業務が多くありました。
また、利用するツールが多岐にわたり、情報が分散している点も大きな課題でした。例えば、依頼はメール、資料作成はExcel、紙での出力やFAX送付、FAXで受け取った見積を手入力、そして承認は紙回覧といった具合です。
同じような作業が、異なるツールで発生し非効率な手間に繋がっていると感じていました。過去の情報を探す際にも、どこに保管されているか分からず、時間を浪費することも少なくありませんでした。
さらに、紙による承認業務があったため、場所や時間にとらわれるという課題もありました。オフィスに出社しなければ業務が進められないため、出張や家族の事情で出社が難しい時には、「本当はもっと仕事を進められるのに」と感じるもどかしさや、現代の柔軟な働き方との間にギャップを感じていました。
高島様:私はタスク管理がとにかく大変でした。これまでは今週中にやらないといけない案件をすべてクリアファイルに紙で挟むようなアナログな管理をしていました。
週に30件ほどの見積に対応しているなか、複数案件の同時進行が発生するため、優先順位付けやスケジュール管理が煩雑で、業務負荷はかなり大きかったです。
ー従来の調達において、経営観点で感じていた課題はありますか?

田中様:攻めの調達ができていなかったことです。人手不足や手作業による煩雑な業務に忙殺され、既存のサプライヤー様に頼ってしまう状況がありました。探せばもっとコスト優位性があるものや品質の良いものを購入できる可能性があるにも関わらず、探索する余裕がありませんでした。
かつては、高品質なものを見合う利益を確保しながら販売できていましたが、近年の原材料費高騰により、以前ほど十分な利益を確保できる状況ではなくなってきています。そのため、コスト削減に繋がるものや、品質の良いものを探索できる調達組織を構築する必要があると感じています。
ーリーナー見積の導入の経緯について教えてください。
廣川様:リーナー見積だけでなく、いくつかのツールを検討しました。見積から発注、在庫管理、輸出までをカバーできるような包括的なシステムや、他社が提供する見積特化型のサービスなど広くお話しを伺っていました。ただ、高額なものや、導入に非常に時間がかかるもの、あるいは機能が限定的で私たちの実務に合わないものなど、かゆいところに手が届かないような感覚がありました。
ーリーナー見積の導入の決め手は何でしたか?
廣川様:「使いやすそう」という直感的な印象と、「早く導入できそう」というスピード感は決め手として大きなポイントでした。
戎子様:調達部門のDX推進です。元々調達部門は、こういった新しいツールを活用するという経験があまりなく、システム移行にも抵抗がある担当者もいました。そのため、リーナー見積の導入が、DXツールに触れ、これらを活用して業務の生産性を向上させていくという意識改革、いわゆるリテラシーを醸成する良いきっかけになってほしいという強い思いがありました。まずは早期に導入し、新しいシステムに慣れてもらうことが重要だと考えていました。

廣川様:ツール選定をする上で、単に今やっている業務をデジタル化するだけでは面白くないと感じていました。例えば、今までコピー&ペーストで作成していた見積依頼書が、ボタン一つで作成できて、そのままメールで送れるようになる、というのは確かに便利ですが、業務は本質的にはあまり変わらないと感じてしまう部分がありました。
しかし、リーナー見積の話を聞いた時、「取引先が見積を直接システムに入力してくれる」という点に大きな魅力を感じました。「あ、もう入力する手間が省けるんだ!」と。これは明らかに今までのやり方とは違います。
リーナー見積を導入することで、業務の進め方が変わり、より効率的になるという期待感がありました。やっていて楽しそうというか、変化を感じられるだろうなと。
田中様:初期段階でしっかりと費用対効果がでたので、まずはやってみようとスムーズに導入を進めることができました。工数の削減時間や削減費用のシミュレーションなど、ご協力いただき、具体的な数字として示すことができました。
ー実際にリーナー見積を利用して感じている効果を教えてください。
廣川様:見積業務の一部における業務工数の削減効果は、約65%に達しました。
情報の可視化が進んだことで、社内コミュニケーションが格段にスムーズになりました。誰がどのような業務を進めているのかを共有できるため、担当者が不在の場合でも業務状況を把握できます。また、紙の資料もほとんど必要なくなり、以前は私の席に山積みになっていた書類、それに付随して担当者が行っていたスキャンやファイリング作業がなくなりました。
一方で、業務全体としての効率化はまだ発展途上です。この導入を機に、調達業務全体としてDX推進の効果や必要性を実感し、業務のあり方を見直す良いきっかけになったと感じています。
戎子様:設備調達において依頼元との連携業務が大幅に改善しました。従来はスプレッドシートとチャットツールでやり取りしていましたが、リーナー見積の導入後は依頼内容をリーナー見積に直接入力するだけで調達部門に通知され、進捗も共有できます。依頼から見積取得までのやり取りが一元化されスムーズになりました。

高島様:可視化と情報共有ができる点、そしてサプライヤー選定の効率化です。サプライヤー選定には、ある程度の経験値が必要となるため、従来は担当者個人の経験を元にサプライヤー選定をしていました。
しかし、新任担当者は、どのサプライヤーに依頼すべきか1人で判断することが難しい場面もあったかと思います。
リーナー見積により業務情報が共有されることで、経験が浅い担当者でも適切なサプライヤー選定が可能になり、必要な情報やノウハウがデータとして蓄積・共有できるようになりました。これは大きなメリットだと感じています。
廣川様:実際にリーナー見積を利用して感じている大きな効果の一つは、サプライヤー様とのチャット機能です。
後から経緯を振り返る際に、他の担当者でもそのやり取りを確認できる点が素晴らしいです。例えば、見積承認を求められた際、「この価格交渉はきちんと行われたのかな?」といった疑問を持ったとしても、チャットの履歴を見れば、どのような会話や確認がなされたのかをわざわざ担当者に聞かなくても自分で把握できるため、安心して承認作業を進めることができます。
また、今はまだ情報の蓄積を進めている段階ですが、2年後、3年後の将来、過去の見積を見返した際に、「当時はこういう交渉をしていたんだ」という経緯を容易に確認できることは、非常に大きな効果を生むのではないかと期待しています。
田中様:やはり情報がオープンになっている点が非常に良いと感じています。他のチャットツールなどでも情報は共有されますが、どうしても個別対応になりがちで、属人化やブラックボックス化を防ぎきれない側面があります。できる限り、そういった状況をなくしていきたいと考えています。
その点、リーナー見積のようなツールを導入することで、誰が見ても業務状況を把握でき、誰が担当しても一定の品質で業務を遂行できるような体制を構築できるのは素晴らしいと思います。困った人がいればすぐにフォローできるような環境が整うことは、チーム全体の底上げに繋がっていると感じています。

ー今後調達部門として実現したいことを教えてください。
戎子様:今後実現したいこと、目標としては見積にかかる時間を削減し、創出した時間を本来の調達業務に注力することです。
具体的には、見積業務の効率化によって生まれた時間を、例えば新技術の情報収集や、今後の重要課題である省エネに関する調査などに充てたいと考えています。また、新たな調達先の開拓や、より安価で安定したサプライチェーンの構築といった、調達バイヤーとしての本来の業務に調達部門として取り組んでいきたいです。
田中様:今後実現したいのは、やはりこのリーナー見積を活用し、グループ全体の調達業務を最終的に一元管理することです。
特に、本社調達部門が、どこの拠点が何をどのように購入しているのかを、グローバル規模で把握できる状態を目指しています。情報を一元集約することで、必要に応じて中央集権型の調達を実施したり、各拠点に任せるべきものを明確にしたりといった、より戦略的な調達体制を構築したいと考えています。