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なぜ既存システムからの切り替えを選択したのか?データ主導の調達改革を進めるハカルプラスの調達戦略

社名

ハカルプラス株式会社

従業員数

245名(2026年4月現在)※パート/嘱託含む

事業内容

電気・生コン・原料・医療介護など「はかる」技術に関する4つの事業(計測、計装、計量、メディカルケア機器部門)を展開する老舗メーカー。

課題

・既存システムと調達実務とのギャップ
・調達のデータ集計ができていない運用
・サプライヤー選定ノウハウの属人化

老舗メーカーとしての実績と挑戦を続けるハカルプラス株式会社では、調達業務の標準化を進める中で、データ入力の「表記揺れ」やノウハウの「属人化」という壁に直面していました。同社はいかにして課題を克服し、データに基づく「戦略的調達」へと進化を遂げたのか。リーナー導入の経緯と成果について、お話を伺いました。

【本事例のポイント】

■抱えていた課題
・既存システムと調達実務とのギャップ
・調達のデータ集計ができていない運用
・サプライヤー選定ノウハウの属人化

■リーナー選定の決め手
「調達業務起点」で開発された機能性と、誰もが直感的に使えるシンプルな操作性。

■導入後の成果
見積精査や承認プロセスの劇的な効率化とガバナンス強化。生み出した時間で相見積もりを徹底し、コスト適正化と取引先集約を推進。

■お話を伺った方
ハカルプラス株式会社 調達本部 
本部長 吉村様
調達課 課長代理 森田様


ーまず最初に御社の事業について教えてください。

吉村様:弊社は大きく分けて4つの事業を展開しています。メーターや変換器を製造する「計測事業」、生コンクリートの配合システムを手がける「計装事業」、大手企業向けの工業用はかりを製造する「計量事業」、そして介護機器を製造する「メディカルケア機器」です。

計測・計装・計量の3つは既存の主力事業として安定した売り上げ基盤を確立しています。一方、立ち上げから10年余りのメディカルケア事業は、現在伸び盛りの成長事業と位置づけています。

また、既存の4事業にとどまらず、新たな「アグリテック事業」を展開しさらなる発展を目指しています。老舗企業としてのノウハウと、ベンチャー企業の挑戦する精神を融合させ、新規事業の創出に向けたチャレンジを続けていきたいと考えています。

ー今回リーナーを導入いただいた調達部門のミッションや、組織体制について教えてください。

吉村様:調達部門のミッションとしてはごく一般的な内容になりますが、「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ、できるだけ安く調達する」ことです。どの企業の調達部門でも求められる基本的な役割ではありますが、これを大前提の方針として日々の業務に取り組んでいます。

組織上の立ち位置としては、先ほどお話しした各事業部と横並びのような構成となっており、当部門が全事業部の調達業務を一括して担っています。

部門内の体制としては、私が調達部門の責任者を務め、部署全体がひとつのチームとして動いています。人員は現在、私も含めて8名体制です。この8名のメンバーで、4つの事業部すべてが必要とする資材や物品の調達をカバーしています。


データ集計の壁と、個人の記憶に頼る属人化が最大の課題。標準化の取り組みの中で直面した、調達データ運用の限界と現場のジレンマ


ーリーナーを導入する前に抱えていた課題を教えてください。

森田様:以前から調達業務フローの標準化に取り組んでいましたが、なかなかうまくいかない状況が続いていました。

サプライヤー様の選定においては、Excelを用いて「この製品ならこのメーカー」「過去の購入実績と金額はこれくらい」といった情報を管理し、ノウハウを共有しようと試みていました。

また、一方で、図面加工品の見積もり業務は既存のやり方でスムーズに回っていたため、新たに市販の購入品についてもシステムを導入し、データドリブンな調達を目指して取り組みを始めていました。しかし、我々自身がそうしたシステムを利用した見積もり業務に不慣れだったこともあり、当初は現場も右往左往しているような状態でした。

その中で最も大きな課題として浮き彫りになったのが、データ入力のルールが不在だったことによる「表記揺れ」です。

Excelやシステムを活用して、データを蓄積し、調達業務に活かそうとしていたのですが、運用ルールを明確化できていませんでした。例えばメーカー名を登録する際も、人によってカタカナやアルファベットでの入力がバラバラでした。その結果、いざデータを抽出・分析しようとしても、欲しいデータが正しく集計できない状態になっていました。

また、サプライヤー様の情報や選定基準が個人の記憶に依存し、属人化していたことも課題でした。

「A社は幅広い部材を扱っているが、この部材ならB社が特許をとっていて優位性が高い」といったようなノウハウは、各担当者の頭の中にしかありませんでした。

本来であれば、そうした情報をエビデンスやデータとして蓄積し、根拠に基づいた最適な調達をしたかったのですが、肝心のデータが整理されていないため実現できていませんでした。現場サイドとしても、「こういうシステムや機能があれば、もっと精度の高い調達業務ができるのに」というジレンマを抱えていました。

現場の実務にフィットする「調達システム」を求めて。全社定着とデータに基づく適正購買を叶えたシステム刷新

ペーパーレス化と図面クラウド化プロジェクトからのスタート

ー課題を抱えられている中で、調達システムの検討を具体的に始めたきっかけを教えてください。

森田様:もともと弊社では、図面のクラウド化とペーパーレス化を推進するためリーナーではない別のシステムを導入するプロジェクトがスタートし、私が調達課の代表としてプロジェクトチームに参加していました。

調達課の中には、経験の浅い若手からベテランまで様々なメンバーがおり、どうしても経験値の差や「図面を正しく読み解くスキル」に個人差があることが課題であったためです。
そうしたメンバー間の知識や技術のギャップを埋め、部署全体の業務レベルを底上げするためのサポートツールが必要だと課内で話し合い、図面システムの導入をしました。

その活動を進める中で、同システムにおいて、新たに見積もり支援システムの開発に着手されるとのことで、弊社もその初期段階のプロトタイプの運用から参加させていただいたのが見積システムの利用に至った最初のきっかけです。

費用対効果と業務へのフィット感を考慮した見直し、「調達業務」を起点としたリーナーを選んだ理由

ーすでに利用を開始していた見積システムからリーナーへと切り替えた理由を教えてください。

吉村様:一番の理由は、コストと得られる効果のバランスをとるのが難しかったことです。また機能面でも、弊社の調達業務の細かなニーズと少しギャップがあったことが、システムの切り替えを検討する大きなきっかけになりました。

森田様:既存のシステムは元々「図面」を起点として開発されていたため、調達の実務フローに当てはめようとするとボトルネックになる部分が多くありました。具体的には、見積もりの進捗管理や担当者ごとのタスク管理、見積もり回収後の申請・承認フローといった機能が十分に備わっていませんでした。

リーナーは「調達業務」を起点として開発されたシステムであるため、現場が「まさにこういう機能がほしい」と思うような、痒い所に手が届く機能が多岐にわたって揃っていたことも切り替えの理由です。

吉村様:初めてリーナーの画面を見たとき、「調達として欲しい機能がしっかり網羅されている上、非常に直感的で使いやすそうだ」と強く実感しました。

ー以前のシステムからの移行ということもあり、慎重なご判断があったかと思います。リーナーの導入にあたって重視されたポイントや評価軸を教えてください。

森田様:一番重視したのは「操作の扱いやすさ・シンプルさ」です。現在、調達部には私を含めて8名が在籍していますが、年代も幅広く、システムの習熟度にはばらつきがあります。若手メンバーであればスマホ感覚で直感的に操作できますが、上の年代のメンバーやサプライヤー様にとっては、ようやく前のシステムに慣れてきたタイミングでのシステム切り替えであるため抵抗感がないかを懸念していました。そのため、「以前のシステムよりも圧倒的に使いやすいこと」が絶対条件でした。

そこで、実際にリーナーのトライアルを実施したところ、現場のメンバーからは「画面が見やすい」「直感的に使えて非常に分かりやすい」と非常にポジティブな反響がありました。これなら年代を問わず問題なく定着させられると確信しました。


また、管理者視点でも大きなメリットを感じました。これまでは見積もりの進捗状況を確認するためにメールやExcelなど複数の媒体をチェックする必要がありましたが、リーナーひとつで一元管理・可視化できる点は非常に魅力的でした。

吉村様:リーナーであれば、現場メンバーやサプライヤー様はもちろん、管理者にとっても扱いやすく「全員がしっかり使いこなせる」という確信がありました。そして、その先にある「相見積もりによる価格妥当性の証明」や「適正価格での購買」が実現できる未来を描けたことも、導入を決断した大きな評価ポイントです。

近年は鉄や銅をはじめとする原材料価格が高騰・変動していますが、提示された見積金額がその市況において許容できる価格なのか、本当に適正なのかを正しく見極め、根拠のある最適な調達につなげていきたいと考えています。

業務効率化とガバナンス向上を両立。生み出した時間で「相見積もりの徹底」と「戦略的調達」へとシフト

ーリーナーを導入して、具体的にどのような効果を感じられていますか?

森田様:一番大きな効果は、見積もり依頼から回答回収、価格比較にかかる業務の大幅な効率化です。以前はExcelでの回答を回収・編集・集計する作業に膨大な時間と手間がかかっていましたが、リーナーでは見積もりデータが蓄積され、比較も容易なため、価格の精査や判断が格段にラクになりました。現場のメンバーからも「作業が非常にスムーズになり、比較もしやすくなった」という声が上がっています。

また、承認プロセスの強化とガバナンスの向上も大きなメリットです。実はシステム導入前、一定の金額未満の見積もりに関しては担当者個人の判断でサプライヤーを選定し手配していました。しかしリーナー導入を機にルールを刷新し、すべての見積もりを管理者が目を通す運用へと変更しました。

これにより、相場より高いサプライヤーを選定してしまうミスを防げるだけでなく、「この製品ならあちらの加工業者の方が良いのではないか」といった技術面での擦り合わせやアドバイスも事前にできるようになり、調達の質が大きく向上しました。

吉村様:管理者視点でも承認の質が劇的に変わりました。以前は「品番・型式・数量・金額」程度しか通知されず判断材料が乏しかったのですが、現在は他社との価格比較データや「なぜこの会社を選んだのか」という選定理由までしっかり残るようになり、明確な判断軸を持って承認できるようになりました。


さらに、部署全体で見積もりの進捗や明細を閲覧できるようになったことで、「この案件ならあの会社に問い合わせてみたら?」といったノウハウや知恵の共有が自然と生まれるコミュニケーションの変化も起きています。

創出時間で実現する「戦略的調達」へのシフト。相見積もりの徹底と商流整理で組織の知見も向上

ー効率化によって生まれた時間を使って、新たに挑戦できるようになった取り組みはありますか?

森田様:浮いた時間を活用して、「相見積もりの徹底によるコスト適正化」と「商流の整理・取引先の集約」に取り組んでいます。

従来は一度社内システムに登録したサプライヤーに発注し続けてしまう傾向があり、毎回相見積もりを取る時間的なゆとりがありませんでした。しかしリーナーによって見積もり精査の手間が削減されたことで、毎月3〜4社ほど過去の発注リストからピックアップし、あえて別の会社を含めた相見積もりを実施するゆとりができました。

実際に試してみると、「実績のない会社で見積もりを取ったら意外と安かった」「これまでこのメーカー一択だと思っていたが、他社でも良い条件を出してくれた」といった新たな発見が次々と生まれています。これは社歴20年のベテラン社員にとっても新たな発見であったりと、部全体の知見が上がっていっています。

また、今まで多数の商社や取引先様に細かく分散していた発注をコンパクト化する取り組みも進めています。管理面、コスト面どちらもスマートにしていくような戦略的な調達へとシフトしています。

「同じ失敗は繰り返さない」明確な共通認識のもと推進。明確な運用ルール構築とチームのサポート体制が定着の鍵

ーリーナーの定着や運用にあたって、どのような工夫をされましたか?

森田様:一番意識したのは、見積もり登録のフローやルールを曖昧にせず、明確に定めたことです。誰が担当しても同じルール・統一された表記で入力できるよう詳細なマニュアルを作成し、部署全員に配布・徹底しました。

前システムからの切り替えというタイミングだったからこそ、「以前の『ルール不在によるデータの表記揺れ』という反省を活かし、最初から綺麗なデータ状態で完璧に立ち上げよう」という強い意志を持って臨みました。導入初期は私自身が運用の構築や設定に集中できるよう、日々の業務をサポートしてくれた周りのメンバーの協力も非常に大きかったと感じています。

吉村様:普段から「何が課題だったのか」を部署内で共有できていたため、今回のシステム移行にあたっても「同じ失敗は絶対に繰り返さない」という明確な共通認識を持って、森田をはじめとする現場メンバーが推進してくれました。


良質なデータの蓄積と納期管理の強化で次のステップへ。ツール活用で「属人化しない持続可能な組織」を目指す

ーリーナーを活用して、今後取り組んでいきたいことや展望を教えてください。

吉村様:まずは現在の決められたルールに沿って見積もり業務を徹底し、良質なデータを蓄積し続けることです。業務の効率化によってさらに余力を生み出し、調達部門として次のステップへ進みたいと考えています。

具体的に今後注力したいのが「納期管理の強化」です。現在は、指定の納期通りに届かなかったり、出荷状況の確認やサプライヤーへの問い合わせに追われたりと、品物の納期追跡のためにメンバー全員の業務が1〜2時間ストップしてしまうことがあります。こうした無駄な確認作業をなくし、スムーズな納期管理を実現していきたいです。

森田様:トライアル期間を含めて導入4ヶ月目(※取材当時)となり、現在はまさにデータを溜めていくフェーズです。まずは1年間しっかりとデータを蓄積していきたいと考えています。その上で、「なぜこの部材はこのサプライヤーから調達するのか」という根拠のある選定を徹底し、部員全員の判断軸の精度を高めていきたいです。データに基づく適切な選定プロセスを定着させ、より強固な調達組織とサプライヤーネットワークを構築していきたいと考えています。

ー最後に、調達部門として今後目指されている組織像について教えてください。

森田様:現在、調達部にはベテランから若手まで幅広い年代のメンバーがおり、半数ほどは中途入社者で構成されています。そのため、各自が得意な分野もあれば、どうしても苦手な分野もありますが、誰が担当しても安定して70〜80点以上のパフォーマンスを発揮できる組織を目指しています。

将来的にベテラン社員が定年を迎え、新たなメンバーが加わったとしても、業務の質やノウハウが失われない仕組み、組織体制を整えることが重要です。どうしても個人の経験や能力によって差は生まれてしまいますが、AI技術やリーナーのようなツールを上手く活用することで、特定の人に依存することなく、部署全体の業務レベルを維持・向上させていきたいと考えています。

ーありがとうございました。




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