
間接材購買の作業工数を大幅減、最適な商品選定ができる仕組みを作る ロート製薬が見据える購買改革


社名
ロート製薬株式会社
従業員数
1,687名<単体>
7,259名<連結>(2024年3月期現在)
事業内容
医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売
課題
・間接材購買の申請が煩雑だった
・最適な商品選定ができる仕組みが必要だった
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ロート製薬株式会社は、医薬品、化粧品、機能性食品などの製造・販売を手掛ける製薬メーカーです。同社が「リーナー購買」を導入し、その活用によって直面していた課題解決や導入後の効果について詳しくお話を伺いました。
■お話を伺った方
ロート製薬株式会社
生産技術部 データインフラ開発グループ 近藤 様
ー最初に近藤様が所属される生産技術部について、また生産技術部で間接材購買をご担当されている背景について教えてください。
ロート製薬では生産技術部で、工場の間接材購買を管掌しています。具体的には、ロート製薬の工場で使う生産設備や、その部品の調達が中心です。
例えば、機械やコンベアなど工場内で使う設備を自社で作るために必要な部品を調達しています。私たち生産技術部としては、こうした部品を効率よく手配して、工場の生産ラインがスムーズに動くようにするのが役割です。
また、DXの推進にも関わっていて、購買業務の改善にも積極的に取り組んでいます。こうした背景から、生産技術部で間接材の購買を行っています。
ー購買改革への取り組みを始めた背景を教えてください。
私は海外で工場のマネジメントを担当していたのですが、日本に戻ったタイミングでDX推進の担当になりました。その中で、ローコード開発による業務改善にもいくつか取り組んでいて、その一環として購買業務の改善にも着手しました。
購買業務はこれまで、購買管理機能を備えた設備保全システムを使用していましたが、そのシステムを管理していた担当者が定年退職を迎えることになり、私がその役割を引き継ぐことになりました。これをきっかけに、購買業務の見直しに本格的に取り組むことにしたというのが経緯です。
ー購買業務における課題は何でしたか?
従来のシステムでは、注文申請の方法が複雑で、誤入力が発生しやすく、1件の申請に約10分かかっていました。また、ユーザーからは「使いにくい」との声が多く寄せられ、購買の実務担当者にとっても、ユーザーからの問い合わせや入力修正の依頼が大きな負担となっていました。
そして、最も大きな課題として捉えていたことは、ユーザーが「より良い買い物をしよう」という意識を持ちにくい仕組みであった点です。
ー「より良い買い物をする」という意識を持ちにくい仕組みについて具体的に教えてください。
間接材の購入は、例えば何かを作る際に必要な部品を購入するなど、副次的な業務になりがちです。そのため、部品選定に対して私たちが十分な時間を割けないのが現状でした。
結果として、過去の購買履歴を参考にして購買することが主流になっていました。システムを導入した2007年ごろの情報に基づいた購買を行っていたため、その時々で最適な商品を選んで購入しているとは言えない仕組みでした。

ー購買改革におけるシステム選定のプロセスを教えてください。
購買改革におけるシステム選定のプロセスについては、当初から購買の課題を明確にしていたわけではありませんでした。多くの企業でも同じような状況が見られるように、課題がはっきりしていない一方で、購買担当者の負担が大きいことや、陳腐化したシステムをモダンで効率的なものに改善したいというニーズが出発点となりました。その結果、購買フローの課題に焦点を当てて、本格的に取り組みを開始しました。
そして、間接材の購買において、都度見積を取るのは現実的ではないものの、それに近い形で運用が可能なシステムを求めて情報収集を進めました。
私自身、購買業務に初めて取り組む立場でしたので、担当者から現状や課題について学びながらヒアリングを進めました。また、ユーザーの皆様からも多くの課題や意見をいただき、それらをもとに検討を重ねた結果、カタログ購買のシステムが最適であると判断しました。
ーカタログ購買のシステムの検討は具体的にどのように進められたのでしょうか?
まずは自社システムを改造して対応できるかを模索しました。しかし、改造費用が非常に高額で、データ構造やテーブル設計も異なっており、現実的ではありませんでした。
新たに自社システムを構築することも可能でしたが、概算見積を出した結果、費用対効果が見合わないと判断しました。また、十数年前に作ったシステムをさらに十数年使い続けることを考えると、今使えても数年後には使いにくくなる可能性もあり、次の担当者に負担をかけることになるかもしれないという不安もありました。
ーグローバル対応のシステムも検討されたというお話をお伺いしましたが、いかがでしたか?
グローバルで利用されているシステムは、求める機能が一通り揃っている点で魅力的でした。しかし、当社が目指していたのは購買業務の改善であり、その目的に対しては規模が大きすぎると感じました。また、導入コストが非常に高額であることや、運用開始までに時間を要することも課題でした。
実際に、あるベンダーのシステムでは「導入に向けたキックオフまで1年待ち」との説明を受け、迅速な改善を目指す当社の方針とは合致しないと判断しました。
ー最終的に「リーナー購買」の導入を決めた理由を教えてください。
最終的にリーナー購買の導入を決めた理由は、SaaSであるため、コストが比較的リーズナブルであり、迅速に利用開始できる点に大きな魅力を感じたことです。
また、自社でシステムを構築する場合、自社のプロセスに固執しがちで、それが本当に最適かどうかを見直す機会が得られにくいという課題がありました。しかし「リーナー購買」は、多くのユーザーの経験を基に、常にアップデートされているため、購買業務を最適化できる点にも大きな価値を感じました。システムを活用することで、自分たちだけでは気付けない改善点を発見できると考えています。
現行の業務が特段悪いわけではありませんが、それが最適であるかどうか、また改善によりさらに良くなる可能性があると気付けたことが、導入を決定する上での大きな要因だったと振り返っています。
ー「リーナー購買」の活用についてサプライヤー様の反応はいかがですか?
新しいシステムを導入する際、特にサプライヤーの方々は不安が大きいと思います。「リーナー購買」に移行することで、これまでの取引が終わってしまうのではないか、と心配される方もいらっしゃいました。実際に何件かお問い合わせもいただき、その都度丁寧に対応し、ご納得いただけるよう努めました。
導入後は、取引のあるすべてのサプライヤー様にご案内し、説明会には約180社のサプライヤー様にご参加いただきました。参加が難しい場合には説明動画を提供し、その後も丁寧なアフターフォローを行っています。
「カタログ購買」はサプライヤー様との関係を切り替えるものではなく、これまで取引してきたサプライヤー様の商品を積極的にカタログに登録し、今後も継続的なお付き合いができる仕組みです。
これまでの担当者たちが築いたサプライヤー様との関係も大切にしており、私もその関係を引き継ぎながら、今後もサプライヤー様と共により良い購買体制を構築していきたいと考えています。
ー「リーナー購買」の導入後、どのような効果がありましたか?
これまでは商品の選定から申請までに約10分かかっていた作業が、リーナーを導入したことで5分に短縮されたとの声を数名からいただきました。また、注文書を作成しFAXで送信する必要がなくなり、承認後にダイレクトにメールで自動送信されることも、大きなメリットだと感じています。
10分かかっていた作業が5分に短縮されることで、年間を通じて膨大な業務時間の削減につながり、大きな効果がでていると感じています。
また、承認申請の方法が簡略化されることで、承認待ち時間の短縮につながったとの声も寄せられています。
「リーナー購買」を使うことで、自然と改善が進んでいるようです。また、ユーザーの皆さんも横断検索などの機能を活用するようになり、購買申請の数も徐々に増えてきています。このようにユーザーの行動に変化が現れていることを実感しています。
ー最後に、ロート製薬様が描く購買の未来像について教えてください。
間接材の購買は、弊社にとって主業務ではなく、本業を行う中での副次的な業務という位置づけです。しかし、間接材の購買範囲は非常に広く、多くの社員が関わっています。ですから、みんなが一緒になって購買業務を改善できる仕組みができれば、その力はとても大きいと感じています。
理想としては、ユーザーがシステムを使い続けるだけで活用できるデータが蓄積され、AIの活用により自然と改善に繋がるそんな未来を目指したいと思っています。
