
「できる人を育てる」から「誰もができる環境」へ。什器メーカー中日製作所がリーナーで実現した、開発・調達・サプライヤーを繋ぐ情報共有の革新


社名
株式会社中日製作所
従業員数
15名
事業内容
陳列機器等の製造
課題
・見積業務の属人化と情報の散在
・履歴共有の欠如による「二度手間」と「二重依頼」
・部門間の不透明感によるコミュニケーションロス
店舗什器のメーカー株式会社中日製作所様は、見積業務の可視化と属人化の解消を目指し「リーナー見積」を導入いただきました。
アナログな業務フローを脱却し、システムによる標準化を実現した同社。調達業務をデジタル化した背景と、導入によって得られた具体的なメリットについて、担当者の方に詳しくお話しいただきました。
■お話を伺った方
株式会社中日製作所 製作部
生産管理 課長 兼 製作課 課長 井上 様
ーまず、貴社の事業内容について教えてください。
弊社は、主に小売店で使われる陳列什器の企画・設計から開発、製造までを一貫して手がけているメーカーです。
主要な顧客層は、特にドラッグストアや調剤薬局のお客様を中心に展開しています。例えば、ドラッグストアの店頭で見かける「スライド式の棚板」は弊社のヒット商品の一つです。そのほか、ホームセンターやディスカウントショップ、最近では食品スーパーやリサイクルショップなど、幅広い業態へ展開しています。
近年の開発トレンドとしては、店舗の「作業省力化」に注力しています。例えば、フックの角度を緻密に計算し、特殊なコーティングを施すことで、商品が常に手前に滑り出してくる仕組みなど、現場の負担を減らす製品を世に送り出しています。「いかにお客様の困りごとを解決するか」をヒアリングし、考えて付加価値の高い商品開発に取り組んでいます。
ー現在、リーナーはどのように活用されていますか?

弊社グループは3社で構成されており、主に什器の販売を担う「中日販売株式会社」、什器の企画開発や在庫管理を行う「中日産業株式会社」、そして製造を担う「株式会社中日製作所」があります。
現在、リーナーは中日製作所とサプライヤー間のやり取りにとどまらず、中日グループ2社間でも活用されています。
具体的なフローとしては、まず中日産業から中日製作所へ「購買依頼」を送り、それを受けた中日製作所がリーナーを通じてサプライヤーから見積を取得する形をとっています。グループ内の連携から外部への見積依頼まで、リーナーによる一気通貫した運用を実現しています。
ー調達業務において近年、注力しているテーマはありますか?
弊社では毎年、重点的に取り組むテーマを定めているのですが、今年は「品質・在庫・価格」の3軸における適正化を優先事項として掲げています。
具体的には、まず不良を徹底的に減らして高い「品質」を維持すること。次に、売上の変動に連動させた精度の高い「在庫コントロール」。そして、昨今の不安定な市況下では非常に難易度が高いですが、「仕入れ価格」の維持と適正化です。この3つのバランスをいかに高水準で保つかという点に、現在注力しています。
ーリーナー導入前、調達業務ではどのような課題を抱えていましたか?
「業務の属人化」です。弊社の調達・購買業務は約13名の社員で担当していますが、業務の幅が広く、本来であれば見積もり業務だけに多くの時間を割ける状況ではありません。いかに工数をかけず、誰でも「適正価格で迅速に簡単に見積・仕入ができる状態」をつくるかが急務となっていました。
当時は担当者間での情報共有がほとんどなく、個人の裁量で業務が進んでいる状態でした。そのため、同じ案件に対して複数の担当者が別々に依頼を出す「多重見積もり」が発生したり、似たような内容でも担当者によって見積価格に差が出るといった状況でした。
また、属人化しているため最適なサプライヤー選定ができているかを確認する術がありませんでした。過去のデータや他の担当者の業務情報が共有されない環境では、各案件に対して「本来依頼すべき最適なサプライヤー」が選ばれていないこともあり、見積依頼を出した理由が不明瞭であることも少なくありませんでした。
ーこのような課題を抱える中で、リーナーの導入や改善に着手した理由を教えてください。
以前は、今の課題を解決するには「人を育てなければならない」とにかく「人」。調達ができる人を育てることに注力してきました。
しかし、私自身が数年間この立場を経験して痛感したのは、人には得意・不得意があり、習得スピードも異なるため、どうしても成果に差が出てしまうという現実です。

そして、その「個人の差」をいかに埋めるかを考えた結果、リーナーさんのようなツールを活用することで、誰でも同じように情報を取得でき、管理し、業務を進めることができるのではないか、と考えたことがきっかけでした。
業務の情報が共有され、また他者の見積内容や比較検討の過程が可視化されるため、それを教材として自分の業務に活かすことができます。これまでのような「人の育成」を止めるわけではありませんが、世の中にあるものを活用して成長をスピードアップしていく必要があると判断しました。
ーリーナー導入における決め手は何でしたか?
社長からは常々、「調達のプロ、仕入れのプロになれ」と背中を押されています。
具体的に求められているのは、見積依頼を出す前の段階で「おおよその適正価格」を予測でき、利益を確保するためには「いくらで仕入れるべきか」を自ら判断できる力です。とはいえ、単に安ければ良いというわけではありません。品質や納期を含めたトータルのバランスを見極め、最適な意思決定ができる。そんな「プロの視点」を持った人材が集まる組織を作ることが、私たちの理想です。
そして、私自身が数年後に定年退職を控えていることも大きな背景にあります。長年の課題だった属人化を自分の代で解決し、次世代へ健全な形で引き継ぎたい。そう考えていたタイミングで出会ったのがリーナーでした。まさに今、自社が取り組むべき課題に「ドストライク」なサービスだと感じました。
実は、他部門で導入している図面管理ツールの見積機能を使うという案もありました。しかし、実際の業務にそぐわない点があったことや、サプライヤー様へのサポートは自社で行わなければならない負担がネックでした。
リーナーはサプライヤー様向けのフォロー体制が非常に充実していました。また、導入当初から同じ担当者の方が一貫して伴走してくれる安心感もありました。「この担当者の方についていけば大丈夫だ」と思える信頼関係があったことや、リーナーは弊社だけでなく、取引先も含めてサポートしてくれる。これなら解決のイメージが持てると確信して導入を決めました。

ーリーナーを導入し、どのような効果や変化を感じていますか?
これまでの「属人化」した状態ではあり得なかったコミュニケーションが生まれています。すべての業務データがリーナーに集約されているため、社員同士の会話がリーナーを見て話すスタイルに変わりました。
「あの見積もり、どうなった?」と聞けば、「リーナーに入っています」「リーナーで見積取ってるよ」という会話があります。以前のように、「ちょっと待ってね」と担当者が慌てて過去のメールをさかのぼったり、デスクに積まれた紙の束から書類を探したりする時間がなくなりました。今までの課題がクリアになっています。

また、複数のサプライヤーへ見積依頼を出す際も、これまでと同じ時間でより多くのサプライヤー様への依頼ができるようになりました。単に作業が早くなっただけでなく、「どの見積を選定すべきか」という本質的な検討に時間を割けるよう、時間の配分が変わってきたと感じています。
さらに、過去の履歴がすべて残るメリットも大きいです。以前は過去のデータが見つからず、同じ内容で見積を取り直すという「二度手間」や、別々の担当者が同じ依頼を出す「二重依頼」が頻発していました。今は「リーナーに履歴があるよ」の一言で済むため、現場からは「過去の見積を簡単に探せるようになった」という声が真っ先に上がっています。
業務の「漏れ」が完全になくなりました。これまではチャットやメールでのやり取りだったため、開発部門からは調達の進捗が全く見えず、「依頼したのに見積がなかなか来ない」といった不満が出ることもありました。
今は開発部門もリーナーを介して見積の進捗がリアルタイムで見えますし、さらに開発担当者がサプライヤー様との会話に直接参加して技術的なやり取りを行うなど、社内だけでなく社外の連携もこれまで以上にスムーズに進むようになりました。
ー最後に、今後目指している調達業務の姿について教えてください。
短期的には、メンバー全員がリーナーを使いこなし、確固たるデータベースを構築することです。誰が担当しても見積価格にバラつきが出ない「安定した調達体制」を確立し、それが最終的に受注率の向上や、利益に直結するコストパフォーマンスの実現に繋がっていく状態をまず目指します。
中期的には、ターゲット価格の管理まで完結させたいと考えています。原材料費の変動といった市場の相場観をリアルタイムに反映し、「今の相場ならこの価格が妥当だ」という基準をもち、実際の回答価格との差を分析し、より高度な交渉ができる環境を作ることが目標です。
道筋は決して簡単ではありませんが、使えるツールを最大限に活用し、スピード感を持って「誰もが調達のプロとして動ける専門家組織」を作り上げていきたいです。