車社会の発展のために、仕入先とともに良いモノづくりに本気で取り組む。車載電装品のリーディングカンパニー・日本電産モビリティが経営目標達成のためにLeaner見積を導入したわけ

「世界一高性能なモータで地球に貢献する」をミッションに掲げる日本電産グループの一員として、車載用電子部品のリーディングカンパニーである日本電産モビリティ株式会社。1983年の創業からECU専業メーカーとしてグローバルで市場をリードしてきました。

そんな日本電産モビリティ株式会社のものづくりを支えているのが、SCM統括室です。特にものづくりに直結する「電子部品」や「金型」を、いかに最適なQCDで調達していくかは、企業の収益に直結する重要なミッションです。

日本電産グループの2025年の経営目標達成に向けて、調達量の増加が見込まれる中、アナログな業務フローを改善し、データの蓄積・活用を実現するために「Leaner見積」の導入を決定いたしました。

執行役員 SCM統括室長の伊藤さん、SCM統括室 部品技術部 部長の福島さんにLeaner見積導入の背景や、今後のSCM統括室として目指していく姿をお伺いしました。(以下・敬称略)


 

-まずは日本電産モビリティ様の事業内容と、SCM統括室の役割について教えてください。

伊藤:日本電産モビリティは、2019年に日本電産グループに参画した車載用電子部品メーカーです。カーエレクトロニクスに不可欠な、車のボディ制御に使用される各種コントローラやスイッチ、センサを中心とした製品を提供しています。もともとはオムロン株式会社の車載事業として発足し、2010年にオムロン株式会社より分社化、2019年に日本電産グループに参画しています。

SCM統括室は、当社の購買・IT・物流の本部機能を持っている部門です。本社の購買機能と同時に、製品開発を購買の側面から支える開発購買活動を行う部品技術部が存在します。私自身はオムロンの前身の立石電機時代から一貫して資材部門におり、オムロンで購買責任者を経て、日本電産モビリティではSCM統括室の責任者をしております。

福島:部品技術部では、新規開発の加工部品のメーカー選定、金型の立ち上げから量産に繋げるところまでの業務を担当しています。

-SCM統括室として、調達業務において感じていた課題はございますか?

伊藤:課題としては、大きく2つ感じていました。1つは社内のコストで大きなウエイトを占める材外費(材料費と外注加工費)を適正な水準で管理すること、もう1つはオムロングループから自立し、自社で購買管理の仕組みをしっかりと作ることです。

1つ目の課題に関しては、当社に限らず日本電産グループ全体で、非常に利益を重視した経営を行っており、しっかりと稼ぐ力を身に付けていく必要があります。弊社のコストの中では大きなウエイトを占める材料費と外注加工費、さらに物流費も加えたSCM統括室として見ているコストの管理が非常に重要です。市場の動向として、コストの上昇傾向はこの1年2年では変わらないと思っています。ですので、単純にボリュームディスカウントを要求するだけでなく、技術的な観点から「コストを作りこむ」という活動を行っていく必要があると感じています。

2つ目の課題に関しては、過去オムロングループでは、グループの規模を活かした集中購買体制が非常に進んでおりましたが、現在は自社単独でしっかりとその体制を作っていく必要があります。オムロングループに頼っていたところを自社で行う必要があるので、業務量は増えます。しかしながら、人員を増やすことも難しい状況でしたので、限られたリソースの中でいかに業務の生産性を高めるか、が課題でした。

-「コストを作りこむ」という言葉がありましたが、そのために購買部門に求める役割は何でしょうか?

伊藤購買の仕事は製品開発のためのコーディネーターだと思っています。自社が作りたいものに対して、最適な選択肢を提供すること。そのためにも、既存のサプライヤーさんの情報をしっかりと蓄積していくことはもちろん、常にアンテナを高く張り、新しいサプライヤーさんの調査も行っていくことが大事だと考えています。購買部門の人員に余裕があった時代はサプライヤー調査のために専任の担当者をアサインできていましたが、現在はそこまで余裕があるわけではないです。「コストを適正に管理すること」と「サプライヤーの最新情報を社内に蓄積していくこと」の両立が必要ですね。

―その中で、「Leaner見積」の導入を決定した背景をお教えください。

伊藤:実は、以前から、限られたリソースの中でコストの作りこみと会社の急速な事業成長を両立するために、ツールを活用して購買業務の改善をしたほうがいいな、とは考えていました。コストをしっかり作りこむためには、毎回毎回しっかりサプライヤーからの引き合いを取り、価格査定や交渉を徹底する必要があります。そのためにも、アナログな業務フローはできるだけ改善し、より良い仕組みを導入したいと思っていました。ただ、このようなシステムはトップダウンでいきなり導入を決めても、現場が使いこなせなかったら意味がありません。Leanerさんの場合は、現場でしっかり業務に活用できるかどうかを確認しながら進めることができたので、正式採用に至りました。

福島:他のベンダーのシステムとも比較検討をしましたが、「Leaner見積」を選んだ理由は、「要求部門からの見積依頼の管理」までシステム上で行えることが良かったです。購買業務においては、サプライヤーとのコミュニケーションだけでなく、社内の開発部門や試作部門とのやり取りも非常に多く行われます。この中で、案件管理の漏れや作業の手戻りなども起こっておりましたので、ここがシステム上で管理できることは非常に魅力的でした。開発購買という業務をうまく進める上で、後戻りがないように要求部門と購買部門が密にコミュニケーションを取ることは非常に重要ですので、要求部門からの見積依頼から、サプライヤーからの見積取得・交渉までがシステム上で一気通貫していることは評価できるポイントでした。

このようなシステム導入はなかなか社内に浸透しないのではないか、という懸念もありましたが、非常に丁寧に対応いただけたので導入までに不安も解消できました。さらに、もっとこういう機能があると便利だ、という要望に対してもスピーディーに対応いただけたのは良かったですね。通常、このようなシステムは一回作りこんでしまうと、改修のために追加の費用が必要な場合が多いですが、クラウドなのでそれがない。今後の使い勝手の向上にも非常に期待ができました。

―「Leaner見積」を活用して、今後実現していきたいことを教えてください。

福島:現場のバイヤーが、Leaner見積の仕組みを使いこなしてもっと成果を出そうという意識変革につながっていることは、とても良いと感じています。今までアナログな業務に追われていたところの業務改善が進み、どんどん購買部門としての成果につながっていくことを期待します。

伊藤:このような新しい仕組みは、「業務効率化」が目的になることが多いですけど、本来大事なのは効率化した後にいかにいい見積を取り、コストダウンにつながるか、というところだと思っています。会社としてコストダウンにつながるように、データを蓄積し、効率化した時間を査定や交渉の時間にあてていくことができれば良いと思っています。

―最後に、日本電産モビリティの購買部門として、今後目指していく姿についてお聞かせください。

福島:すでに「Leaner見積」でやり取りを始めている試作メーカーさんとは、サプライヤー側からしても自社が提出した見積の情報を管理でき、コミュニケーションの手間がかかっていたところがやりやすくなったという声を聞いています。これまで時間がかかっていた、見積を依頼し、見積書を回収してデータを入力して比較する、といった作業にかかる時間を極力減らし、目標のコストを作りこむという活動に時間を使えるようになっていきたいと考えています。最近は海外の仕入先も増えているので、将来的には国内だけではなく海外のサプライヤーとのやり取りについても、ツールを活用していきたいと考えています。

伊藤:バイヤーとして、適切なRFQを作るためには非常に多くのスキルが必要だと思います。コストの内訳を見たときに、どのパラメータを触ればコストが下がるのか、といった知識や経験を身に付けていってほしいと思います。「Leaner見積」のようなツールを活用することで、データの蓄積・活用を通じてベテランと若手のスキル差をなくし、標準化をしていく。誰でも最適なRFQが作れるようになっていくと、調達部門としてのレベル向上につながると思います。

我々は、企業理念として常に社会貢献を考えています。当社ですと、これからの車社会の発展にどうやって貢献できるか。ここは当社だけでなく、仕入先さんとも協働してよいモノづくりをしていくことが重要です。仕入先さんと一緒になって技術を開発していくということに本気で取り組んでいく。国内だけでなく海外も含めて同じところを目指す購買組織にしていきたいと考えています。

―本日はありがとうございました!

会社概要

  • 製造
  • 1000名以上
社名
日本電産モビリティ株式会社
設立
2010年5月
従業員数
4,344名(2021年4月現在)
事業内容
車載電装部品のマーケティング・開発・生産・販売
ホームページ
https://www.nidec.com/jp/nidec-mobility/

TOPICS

  • 開発部門と連携してコストを作り込む
  • 仕入先も巻き込んで調達のデジタル化を推進
  • ベテランと若手のスキル差をなくし、部門全体のレベル向上

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